従業員の通勤費用をサポートする「Commuter Benefit」について、IRSは2026年1月から非課税の限度額を引き上げると発表しました。

1. 改定内容
拠出ができる金額が以下のように上がります。

  • 公共交通機関利用料や高速道路利用料など(Qualified Transportation Expenses):月額 340ドル(2025年までは325ドル)
  • 駐車場費用(Qualified Parking):月額 340ドル(同じく325ドルから引き上げ)

つまり、両方を利用する場合、年間最大で8,160ドル(340ドル×12か月×2項目)までを税引き前給与から控除する事が可能となります。

2. Commuter Benefitとは?
従業員が税引き前給与から、通勤にかかる費用をあらかじめ拠出できる福利厚生制度です。
対象となる費用は、以下です。

  • 公共交通機関(バス・地下鉄・鉄道・フェリーなど)の定期券
  • 通勤用のバンやシャトル利用料など(一定条件あり)
  • 会社や駅付近の駐車場代

メリット
従業員:所得税や社会保険料の負担を軽減
企業:給与関連税の節税

導入前に知っておきたいポイント

  • 拠出限度額はIRSが毎年見直しており、企業が必ず上限いっぱいを採用する必要はありません。
  • 制度を導入していない企業もまだ多く、2025年のSHRM調査によると、この制度を取り入れている企業は全体の約12%、駐車場補助は約10%にとどまります。
  • 近年はオフィス出社の動きが戻りつつあり、従業員にとって通勤費の負担が増加傾向です。
  • 制度を新たに導入することで従業員のエンゲージメント施策や、採用競争力の向上策として検討できます。

オフィス勤務が戻る中、通勤費補助は従業員を支える制度として再注目されています。
税制メリットを活かしながら、従業員の負担軽減と会社の魅力アップを両立できるよう、2026年に向け、福利厚生のアップデートを検討する絶好のタイミングです。


公式情報
制度の詳細や限度額の正式発表は、IRSの以下リンクより確認ができます。

2026年の非課税限度額を定めた文書
https://www.irs.gov/pub/irs-drop/rp-25-32.pdf

雇用主向けの制度ガイド
https://www.irs.gov/pub/irs-pdf/p15b.pdf

駐車場費用の取扱いに関する解説
https://www.irs.gov/charities-non-profits/qualified-parking-fringe-benefit