今回はアメリカ企業の福利厚生についてです。アメリカにおける有給休暇制度の特徴や健康保険について話しました!
アメリカの福利厚生といえば – 有給休暇
アメリカの福利厚生で近年注目されていたのが、無限有給休暇(Unlimited PTO)という制度です。これは、休暇の日数が決められていないという夢のような仕組みですが、実際にはどのように運用されているのでしょうか。
大企業の多くは、有給の日数が社員ごとに異なるため、無限有給休暇の方が公平に扱いやすいという考えがあります。例えば、メンバーの一人、Beef、の会社では一部の社員に無限有給休暇が与えられていますが、他の社員は月ごとに少しずつ有給が増える仕組みです。また、ショーンさんの会社では、時間単位で半月ごとに有給が増えるシステムが採用されています。
アメリカで無限有給休暇が成り立つ理由の一つに、社員のパフォーマンス管理があります。たとえ長期間の休暇を取りたい社員がいても、タスク管理とパフォーマンス評価を考慮すると、実際には長い休暇を取ることは難しいという判断が下されます。このため、無限有給休暇制度を運用するには、マネージャーと社員の間でしっかりとしたディスカッションが不可欠です。
一時期は無限有給休暇制度が流行しましたが、実際にはその制度を導入している会社の方が有給取得率が低いというデータもあります。これは、制度自体は魅力的でも、実際に休暇を取ることが難しいからかもしれません。
日本では年度初めにまとめてに有給休暇が付与されるのに対し、アメリカでは月単位で有給が増えていくことが一般的です。このようなAccrual Basis(注※)の制度は、実際には多くの国で採用されています。
結局のところ、休暇が取りやすいかどうかは会社の文化に大きく依存します。アメリカでは、未使用の有給を翌年に繰り越せるかどうかは州によって異なります。さらに、病欠と休暇を一緒に管理する会社もあれば、分けて管理する場合もあります。例えば、パーソナル休暇として家族のイベントやケアに利用できる休暇を与える会社もあります。
アメリカでは休暇を取る際にはマネージャーの許可が必要ですが、日本では社員が休暇願いを出せば法律上断ることはできません。この違いは、アメリカでは仕事の責任や役割が明確であるため、休暇の時期がマネージャーの管理下で明確にされているからです。日本は逆に一人か欠席しても他の人でカバーできる場合が多いですが、他のメンバーに迷惑をかけたくないという理由で休暇が取りにくい環境になっている場合もあるのかもしれませんね。
注※ 事象の発生時点を基準とする会計用語
アメリカの福利厚生といえば – 健康保険
アメリカの福利厚生には、日本と同様、健康保険や各種保険があります。食事提供やジムのメンバーシップなども含まれる場合があります。
健康保険に関しては、会社が複数のプランを用意し、個人負担額は会社やプランによって異なります。Beefの会社では5つのプランがあり、スタートアップでは通常3つ程度のプランが提供されます。アメリカの医療費は非常に高いため、求職者は健康保険のプランを非常に気にするようです。共働きの夫婦の場合、夫婦それぞれの保険プランを照らし合わせてどちらの保険に入るかを話し合うこともあります。
アメリカでは、健康保険に歯科医と眼科の保険が含まれていないため、専用の保険に加入する必要があります。例えば、健康保険は妻の会社のプランに加入し、歯科医と眼科の保険は夫の会社のプランに加入することも可能です。
また、アメリカでは税金対策としてFlexible Spending Account (FSA) という制度があります。これは、課税前の収入を非課税として医療費に充てられる節税プランで、年度初めに見込んだ医療費をFSAに入れ、その中から医療費を支払うシステムです。ただし、年度内に使い切らないといけないという制約があります。
アメリカの会社の保険制度ってどう決まっている?
アメリカの企業では、保険のベネフィットコンサルタントが最新情報を提供し、会社に合ったプランを見積もりをしている場合が多いようです。年齢分布や男女比、人気の保険、保険の利用状況などの情報を基にプランを提案します。
アメリカでは、保険料が非常に高く、3−4人家族の月々の保険料は約$3000にもなります。そのため、会社も社員も健康保険について真剣に考えているため、毎年人事部は健康保険会社と交渉を行います。
日本のように年に一度の健康診断はアメリカにはなく、病院側も電話をくれれば薬の処方箋をすぐに手配するけれど、軽度の症状だったら来ないほうが良いという考えのようです。風邪程度では病院の予約は取れず、医療費が高いため治療後に病院と医療費の交渉をする人も多いです。保険がないと予約も取れないことが多いのが現状です。
以上、アメリカの有給休暇と福利厚生についての議論をまとめました。アメリカの制度と日本の制度には多くの違いがあり、それぞれにメリットとデメリットがあります。福利厚生の理解を深めることで、働く環境をより良くしていきたいものです。


