アメリカで従業員を雇用する際には、「Form I-9(雇用資格確認書)」の提出と保管が義務付けられています。
2025年4月3日に最新のForm I-9が発行され、いくつかの変更点が加えられました。
この記事では、本記事では、基本のおさらいから、今回の改訂ポイント、企業としての対応方法まで、雇用主として押さえておくべきポイントをまとめます。
Form I-9とは?
Form I-9は従業員が米国で合法に就労ができる事を確認するための書類です。雇用開始日から3営業日以内に、本人確認と就労資格を証明する書類の提示を受け、Form I-9の記入を完了させる必要があります。
2025年版の主な変更点
以下の軽微な変更が加えられました:
- セクション1の市民権選択肢:「就労が認められた外国人(An alien authorized to work)」に表記を統一
- リストB(本人確認書類)の一部表記を修正
- DHSのプライバシー通知を説明書に追加
- E-VerifyやE-Verify+も、2025年4月3日以降にこの新しい表記に対応済
注意点:従業員が古いバージョンのForm I-9で「就労が認められた非市民(A noncitizen authorized to work)」を選択しても、E-Verifyでは「An alien authorized to work」を選ぶ必要があります。
未提出・記入漏れがあった場合のForm I-9への対応法
提出漏れや記入漏れが見つかった場合は、すぐに以下の対応を:
- 未提出:従業員に数日の猶予を与えて必要書類を集め、できるだけ早くForm I-9を作成
- 雇用主側の記入漏れ:日付とイニシャルを付けて修正可能
- 従業員側の記入漏れなら、本人に連絡し完了させる
保管方法と保管期間
監査対応のため、Form I-9は以下のように保管しましょう:
- 保管形式:紙 or PDF(どちらもOK)
- 保管場所:監査時にすぐに提出できる場所に一元管理
- 保管期間:
- 雇用日から3年間
- 退職日から1年間
→ いずれか長い方を適用
ICE監査への備え
ICE監査では、以下のような対応が求められます:
- 監査通知(Notice of Inspection)が届いたら、Form I-9を3営業日以内に提出
- ICEが行政令状(Administrative Warrant)を持って訪問した場合は、公共エリアのみ立ち入り可能(私的エリアには許可が必要)
- 裁判所の捜査令状がある場合は、私的エリアへの立ち入りを拒否できない紙の原本をICEに提出する必要があるため、必ずコピーを保管する。
偽造書類の申告があった場合
従業員が過去に偽造IDを提出していたと申告し、正当な書類を提示できる場合:
- 新しいForm I-9の作成可能
- ただし、社内のポリシーを確認し、一貫した対応を心がけることが重要(差別防止の観点から)
再確認(Reverification)とは?
一時的な就労許可を持つ従業員に対しては、許可期限が切れる前に再確認が必要。再確認は就労資格に関するもので、新しいForm I-9を作成する必要はありません。
雇用主が今すぐ対応すべき事
- 最新版のForm I-9(2025年1月版)をダウンロードし、社内で共有
- 未提出・記入漏れのI-9をチェックし、必要な対応を取る
- E-Verifyの設定が新しい表記に対応しているか確認監査対応マニュアルを法務とともに整備
- 保管方法と運用ポリシーを一貫して適用
Form I-9は単なる書類ではなく、企業の法的リスクや信頼性にも関わる重要なプロセスです。
最新情報をもとに、しっかりと準備しておきましょう。
Form I-9
https://www.uscis.gov/i-9
<参考リンク>
Minor Changes to Form I-9 and E-Verify Updates
https://www.uscis.gov/i-9-central/form-i-9-related-news/minor-changes-to-form-i-9-and-e-verify-updates
I-9 Land Mines: What to Do When Documentation Problems Arise
https://www.shrm.org/topics-tools/employment-law-compliance/i-9-land-mines-what-to-do-when-documentation-problems-arise


